概要
コンクリート表面のあばたを防止し
耐久性を向上させます
「アバノン」は、コンクリート中の余剰水と気泡を通過させる「透水シート」と、透過したものを速やかに型枠外に排出させる「排水シート(不織布)」を、特殊な接着工程により貼り合わせた一枚構造の透水性型枠用シートです。コンクリート表面付近の強度が増加し、表面に緻密な層ができて耐久性の向上がはかれます。
特長
・表面あばたの発生を防止できます
(コンクリート表面に生じる色むら抑制効果は期待できません)
・コンクリート表面の耐久性を向上させます
・既存の型枠を穴を開けずに利用でき、合板型枠には工業用ホッチキスで貼付できます
鋼製型枠に適用する場合は、使用検討時に当社営業担当者までお問合せ下さい
・転用可能で経済性に優れています
「アバノン」の型枠への取付け方法
合板型枠への取付け方法
合板型枠への取付けは工業用ホッチキスにて型枠側面の桟木に固定します。
鋼製型枠への取付方法
両面粘着テープにより貼付けます。
※鋼製型枠寸法 縦900㎜×横900㎜の場合の一例
コンクリート二次製品用型枠での使用例
適用例
- コンクリート擁壁
- ダムの堤体
- 橋脚
- 高架橋高欄
- 橋梁主桁部
- 法面保護コンクリート工
- コンクリート橋
- 建築工事
- トンネルインバート部、下部アーチ部
規格・特性
規格
品番 | ABANON SHEET | |
---|---|---|
透水シート:織布 (コンクリート面) |
排水シート:不織布 (型枠面) |
|
色 | 白 | グレー |
素材 | ポリエステル | ポリプロピレン |
幅 | 1m、2m | |
長さ | 25m | |
厚さ | 0.6mm | |
質量 | 260g/m2以上 |
特性
1.表面あばた率
型枠傾斜角度30°及び45°の条件下において、合板型枠との比較試験を実施した結果
コンクリート表面のあばた率
種類 | ハンチ部角度 | 位置 | あばた率(%) |
---|---|---|---|
アバノン | 30° | ハンチ部 | 0.00 |
45° | 0.12 | ||
合板型枠 | 30° | 8.63 | |
45° | 7.94 |
【アバノン】
【合板型枠】
表面の仕上がりは極めて良好で、「アバノン」は、あばた低減に非常に有効です
2.促進中性化
合板型枠および「アバノン」を用いた試験体から材齢28 日でコア採取し、JIS A 1153 による促進中性化試験を実施した結果
コンクリートの中性化試験結果
促進期間 | 中性化深さ(mm) | |||
---|---|---|---|---|
合板型枠:ハンチ部角度 | アバノン:ハンチ部角度 | |||
30° | 45° | 30° | 45° | |
0週 (材齢28日) |
0.1 | 0.1 | 0 | 0 |
13週 | 12.3 | 9.7 | 0 | 0 |
26週 | 16.9 | 13.6 | 0.3 | 0 |
【アバノン:ハンチ部角度30°】
【合板型枠:ハンチ部角度30°】
アバノンは促進中性化26 週においても中性化の進行は殆ど認められません。
3.透気性
コンクリート表面透気性把握を目的とした、エアパーマテスト(トレント法)による透気性試験実施結果
合板型枠と比較した場合、アバノンのコンクリート表面の透気係数はかなり小さい値を示し、コンクリート表面の密実性が確認できます。
4.透水性
表面からの透水性を把握する目的で、透水試験を実施した結果
コンクリートの透水性試験結果
種類 | 測定箇所 | 拡散係数(cm⁄sec) | |
---|---|---|---|
各値 | 平均 | ||
アバノン | ハンチ部角度30° | 3.300×10-3 | 3.339×10-3 |
ハンチ部角度45° | 3.378×10-3 | ||
合板型枠 | ハンチ部角度30° | 1.052×10-2 | 8.993×10-3 |
ハンチ部角度45° | 7.466×10-3 |
【アバノン:ハンチ部角度30°】
【合板型枠:ハンチ部角度30°】
アバノンのコンクリート表面からの透水性は、合板型枠と比べて小さい値を示しました。
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名称 | ファイル |
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