2020年12月10日、関東経済産業局委託事業である「地域企業×スタートアップ価値創造チャレンジ事業」における地域産業創出セミナーの番外編が開催されました。当日は、全国の大企業、地域中堅企業をはじめ、自治体、地域支援機関、金融機関、大学、スタートアップの方々約90名が参加されました。
※中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業について(関東経済産業局HPへ)
はじめに、経済産業省関東経済産業局 産業部長 である勝本 光久氏よりご挨拶があり、環境変化に富む今こそ、地域中堅・中小企業の価値創造活動に向けた対応力や実行力が重要であるとの発言がございました。
続いて、株式会社リバネス 執行役員CKO長谷川 和宏氏より本事業の趣旨や、これまでに企画した3回の「地域企業とスタートアップの連携」というテーマの番外編として、「M&Aによる事業拡大戦略」を取り上げる点について説明がありました。
その後、福井県の地域中堅企業として、当社 代表取締役社長である前田 尚宏より「福井の100年企業がなぜM&Aをするのか?」と題して、2002年入社以来のM&Aを活用した事業の多角化、拡大について紹介がありました。特に、大手素材メーカー勤務時代の海外経験で中小企業の成長方法に気づいたことや、2002年入社時は当時の政権下において主力だった道路工事などの公共事業が激減したことによる危機感などがあり、現在の「技術」「顧客」「製造工程」「人」を混ぜるM&A経営手法にたどり着いたことについて述べました。
そして後半は、「18年で70億円の売り上げを380億円まで拡大した地域中堅企業のM&A戦略」と題したトークセッションがありました。モデレータである株式会社リバネス 代表取締役グループCEO丸 幸弘氏より、「M&A先の選定ポイント」や「案件発掘のスキーム」についての質問や、オンライン質問ツール Slidoに寄せられた意見なども踏まえての、「ベンチャー企業のM&Aへのスタンス」「実際、買収先企業とのトラブルなどなかったのか」など、踏み込んだ質問も行われました。前田社長よりひとつひとつ回答をし、買収先の地域企業と支援ベンチャーとで連携を生み出してくという方針や、「地域の製造業が夢をもって成長できるM&A」を目指していくという姿勢など、掘り下げながらトークセッションが進行しました。
実施後のアンケートでは、「スタートアップとの連携を希望する」という地域中堅企業からの回答に加え、「地域企業のM&Aを通じた成長事例に共感した」など、大きな反響がありました。