着床式洋上風力発電基礎における洗堀防止の重要性
洋上風力発電の着床式基礎において、モノパイル(鋼管杭)を海底地盤に打設すると、波浪や潮流力による流れで周辺の海底地盤が洗堀を受けます。特にモノパイルの際では流速が早くなり、上下方向の流れも生じるためモノパイル近傍では洗堀が顕著となります。
もし洗堀対策をしないと…
無対策状態では、モノパイル周辺の洗堀深はモノパイル径以上に及ぶことも
洗掘が生じると海底地盤の支持力が低下
風車の傾斜につながる
「パワフルユニット」による洗堀対策
防波堤や河川堤防の侵食対策として実用化された袋型根固め工法用袋材「パワフルユニット」は、安全性や施工性、維持管理面、経済面から洋上風力発電設備の支持構造物周りの洗堀防止工法として優位性が期待されています。
袋材で対策する利点
- 地盤の洗堀に追従しモノパイルの安定が図れる
- 砕石が袋材に入っているため、波浪や潮流力で砕石が飛散しない
- 製作・設置が容易で工期短縮が図れる
- 袋詰め玉石の製作は熟練工を必要としない
- 維持管理の容易性を有しており、経済性に優れる
袋型根固め工法用袋材「パワフルユニット」
海や湖沼など、波浪の影響が懸念される場所での使用が可能な袋材
パワフルユニットは、ポリエステル繊維を使用した袋材です。網地強度が強く、耐久性に優れているため、転石や流木による網地の摩耗破断が起こりにくい構造となっています。護岸の根固工・橋脚の根固工・緊急時の水防資材としてお使いいただけます。
関連記事:「洋上風力発電設備に係る洗掘防止工法の確立に関する共同研究」について(2021年2月15日)